今回は長期的に勝ち続ける競馬の勝ち組になるには、馬券の買い方をどのようにすればいいかを考えてみたいと思います。多くの方が、その時のレースに選び「本命」「対抗」などを選び、また「消し馬」を決めたりして、後は馬券の組み立てをしていると思います。
最近では馬券の買い方も増えてきて「流し」「ボックス」に加え「マルチ」「フォーメーション」と言ったものまで出ています。三連系の買い目点数が多いので、新しい馬券の買い方も出てきたと思うのですが、本当に今の馬券の買い方が長期的に勝つために正しい買い方という自信があるでしょうか?
今回は各馬券種の特性とそれに対する大衆心理を考え、それぞれの券種でどういった買い方が良いのか考えてみます。あくまでも個人の考えであって、買い目の絞り方に関しては、どの程度収益の波を最高回収率を削っても平準化したいかで変わります。特に三連系の極端に的中率が低い馬券というのは、買い目を絞りすぎると確率の収束が、間に合わないぐらい当たりません。
反対に三連系の馬券の方が、オッズの歪みというか狙い目馬券が多くなる現象はありますので、ある程度回収率を犠牲にしても的中率を高めるという考え方もあります。
大穴系は残念ながら長期的に回収率が悪くなる
まず一つ目の大前提です。「大穴(高配当)の馬」は基本的に回収率が激悪です。
上記データで単勝100倍以上の馬の回収率の期待値は非常に悪いのが分かるともいます。これは単勝・複勝に限らずどの馬券種に置いても同じことになります。なぜなら大穴というのは少し買うだけで、的中期待よりも低いオッズに簡単になってしまうからです。
馬券師としては出来る限り高い倍率の馬券を当てて自慢したいところですが、ここはぐっと抑えてある一定以上の高倍率の馬券は最初にバッサリ買わないと決めましょう。買えば買うほど損します。
やり方としては、「各馬券種で上限オッズを決めること」「馬選定時に単勝オッズで切り捨てること」でしょうか?単勝万馬券の的中は競馬ファンの夢かもしれません。でも、その夢の代償は大きいです。競馬で勝つ(儲ける)ことを考えるなら絶対にやってはいけません。
馬券購入方法や配当から感じる大衆心理を読み取る
2つ目に大衆心理を考えたいです。つまり「過剰投票」している馬を見分ける技術です。各馬券種毎に買われやすい部分があり、そこを見抜けば自分の買う馬券があまり美味しくないということに気づきます。
買い目が多くなる馬券種のほうがより、過剰投票がどこかに生まれオッズの歪みが生じやすくなります。また配当により、購入者の買い方も変わってきます。後ほど紹介しますが単勝では「5~6番人気」ぐらいは統計的には回収率が高いですが、「複勝」では1番人気が一番成績が良いです。
これは複勝1番人気はオッズが非常に低く、レース単位で見れば配当妙味がありません。そのため、もう少し配当が付く「穴馬」に投票が行きやすいです。それを考えれば「ワイド」もそういった傾向が見込まれそうですね。「三連複」「三連単」ではどちらが単勝のような傾向で、どちらが複勝のような傾向になるのか掴みやすいです。
こういったことから人気馬を買おうとしている時、どの馬券種を買ったほうが過剰投票されてないのか?反対にやや穴馬を買おうとしている時にはどの馬券種が良いのかの参考になります。
それでは各馬券種毎に、賢い買い方を考えてみましょう。
単勝馬券の買い方
的中率(高)、オッズ(低)、予想頭数(1)、的中数(1)
単勝馬券というのは控除率20%ながらも、100%以上の回収率を長期的に求めるのは非常に難しい馬券です。というのもそんなに1頭だけでオッズの歪みは出ないからです。しかしながら、ここを長期的に100%以上にすることで後は他の馬券を組み合わせることで、さらなる回収率向上になります。
オッズが複勝ほど低くないので人気どころがやや過剰に投票されやすい傾向です。オッズ帯で見れば10~30倍あたりがいい傾向です。
買い方の基本・・・1点買いですね(ややオッズが付く馬が狙い目の場合)。
また単勝を買う時のオススメとしては、自分が買いたい馬がいる時に、他の人気馬が過剰に買われているというときです。得てして1番人気が買われやすいのが単勝馬券です。あまり儲けを意識していないで当てようと思っている人が多い馬券ですね。
複勝馬券の買い方
的中率(1番高い)、オッズ(一番低い)、予想頭数(1)、的中数(2~3)
複勝馬券は単勝よりもさらにシビアと言えます。というのは配当が低いので、当てても当ててもお金が増えないからです。複勝は1番人気のオッズが1.1倍など低すぎるため、配当妙味がなく穴馬の方に過剰投票されやすい環境です。また最近は単複応援馬券というのもあるので、ついでに保険馬券として買われているケースもあります。逆に言えば保険の気持ちで買わず、絶対の自信が必要な馬券です。
買い方の基本・・・1点買い(人気馬で自信がある場合)。
こちらは複勝オッズ1.6倍ぐらいまでを何度も的中するぐらいの自信がないと買ってはいけない馬券だと言えます。単勝よりも当たりやすいイメージですが、長期的な回収率で見れば一番シビアな券種だと思います。
また単勝と複勝では馬券の過剰投票のされ方が逆パターンになりますので、自分の狙い馬の人気によってどちらを買うか選択する手もあります。大衆心理の逆を行くので、ここは精神力が試されます。複勝では敢えて配当が低い方、単勝では敢えて、そこそこ穴馬を狙うことになります。
馬連馬券の買い方
的中率(低い)、オッズ(やや高め)、予想頭数(2)、的中数(1)、複式
三連系が登場するまでは多くの人がメイン馬券にしていたと感じる券種。多くの人が「流し」「ボックス」を活用して購入している為、「人気馬同士」「穴馬同士」の余計な馬券が買われている可能性がある。
買い方の基本・・・「狙い馬」から2点まで。
2点購入だと非常に的中率が低くなるが、そこはワイド馬券などを活用して欲しい。これ以上買っていくと必然的に狙い馬が実は絞れていない「人気馬同士」「穴馬同士」の組み合わせが増えてくる。
人気馬同士になっている目安でいうと頭数によるが8倍以上は付いて欲しいところ。つまり7倍以下の馬券になっていたら人気馬同士の馬券で過剰投票されやすい状況。
ワイド馬券の買い方
的中率(高め)、オッズ(低め)、予想頭数(2)、的中数(3)、拡大複式
比較的新しい馬券種で馬連を当たりやすくしているので保険馬券として買う人が多い。オッズが低く、的中率が上がるので複勝馬券に近い。買う時のポイントの一つとしてワイドは当たりが3つあり、投票が多い馬が来た場合は最終オッズが下がるため、人気馬が危険と感じる状況でオススメ馬がいる場合に外した買い方(単勝の考えに近い)。後は馬連と同じような買われ方をしている傾向(ボックス・流し)なので人気馬同士・穴馬同士は避けたい。
買い方の基本・・・「狙い馬」から2点まで(買い目は馬連と似ていて人気馬x穴馬が良い状況)
ワイドは馬連より配当が低く、やや当たりやすいので、複勝の考え方としては買いの点数は絞りたい、そうなると2点までとしているが一点買いでもいいぐらいの気分で勝負したい。また3頭ボックスで全部当ては多くの人がボックス買いしていて損と思うので狙わない。→三連複に回したい。
馬単馬券の買い方
的中率(低い)、オッズ(高い)、予想頭数(2)、的中数(1)、単式
複数ある馬券種の中であまり活用しがいがない馬券種。馬連を裏表に分けて払戻率が下がるので、裏表のオッズバランスが異常な部分が出るときのみ使いたいです。馬単は馬連よりも売れていない馬券です。恐らくですが馬連よりも高配当を求めて1着→2着に自信があるという人が追加購入している印象があります。
ただ、馬券を買う時に例えば人気馬から穴馬馬券の場合はオッズを見ても2倍以上付くことはなくそれなら馬連に2倍買えばいいと感じる人が多いでしょう。ですので穴馬から人気馬の馬券のほうが売れている可能性が高いです。そういう意味で実はオッズはつかないけど人気馬から穴馬の方が過剰投票されてない傾向と感じます。
買い方の基本・・・オススメなし
馬単に関しては正直、大衆心理からどこを買えば良いのか答えが掴めていません。敢えて、使わないという手もありだと思います。いい方法があれば教えていただきたいものです。
三連複馬券の買い方
的中率(低い)、オッズ(高い)、予想頭数(3)、的中数(1)、複式
複式馬券ながら配当が高く、的中率が低いといった面白い馬券です。配当が高いこともあってオッズのばらつきが大きく、穴馬が過剰に買われている場合が多いです。また反対に人気どころの組み合わせもオッズが高くなるため、多めに買われやすいです。
買い方の基本・・・2頭軸からの流し(2,3点x2)か、3頭1点買い(高倍率は投票しない200倍以上程度)
各レースに美味しい馬が2頭以上いれば積極的に使いたい馬券種で、3頭ピッタリはまるならワイドの3頭ボックスではなくこちらの1点買いにします。2頭軸になる場合は、あまりに穴馬同士になる場合の馬券を省いて残りの注意馬に流します(2頭軸が穴馬なら人気馬流しでも良いかもしれません)。
三連単馬券の買い方
的中率(激低)、オッズ(激高)、予想頭数(3)、的中数(1)、単式
現在中央競馬で一番買われている馬券ですが、当たらないので多くの方がかなり多めの点数で買います。「マルチ」や「フォーメーション」といった買い方を活用されるので、そこに不要な過剰投票の要素が含まれます。また超大穴はオッズが非常に高いので、少し買うだけでオッズ変動が大きく、買うだけで期待値が下がる結果になりかねません。
買い方の基本・・・2頭軸からの流し(オッズで上限を制御4,000倍程度)
マルチの買い方は絶対やめて、点数が絞れるフォーメーションを活用したいところです。狙い馬が2頭以上できれば「2頭軸」→「人気馬・注意馬流し」でボーナス馬券といった活用でいいでしょう。
三連単や三連複はオッズの歪みが大きいので回収率こそ良くなりやすいですが、連続して外れますので賭ける金額のかなり多めの予算が必要となります。ですので掛け金の調整か予算が充分あるという人が活用したい馬券です。活用できればブレもチャンスも大きいです。
各馬券種のオススメの買い方を書いてみましたが、かなり点数は絞った方法で書いていますので的中しないレースがたくさん出てくると思います。そこで面白くないと感じ、買い目を増やしますと長期的な回収率は必ず下がる傾向になります。
より最大ドローダウンを少なくしたいなら、単勝・複勝・ワイドといった馬券種を活用、予算に余裕が出てきたら三連複・三連単が使えたほうが回収率をあげるチャンスになります。
今回は各馬券種の大衆心理を付いた買い方を紹介していますので、狙い馬の人気状況によって使い分けも可能です。
- 狙い馬が1頭で人気馬→複勝、ワイドの人気馬流し
- 狙い馬が1頭で穴馬→単勝、馬連の人気馬流し
- 狙い馬が2頭→ワイド1点、三連複の超穴馬券を外した流し、三連単の超穴馬券を外した流し
- 狙い馬が3頭→三連複1点
狙い馬がが3頭いてもその中で順位付けが出来るのなら各馬券種を組み合わせて買えばいいでしょう。この買い方は、多くの人がついつい買ってしまいそうな状況を避けて選んで買う、超大穴は確実に損をするから避けて買うという方法で、少しでも買い方での回収率をあげようというやり方です。
ですので、買っている時は違和感を感じるかもしれませんが、競馬で本当に勝つには他の購入者の穴をつくしかないわけですから長期的に買って、逆の買い方に慣れるしかないですね。
ちなみに狙い馬が4頭以上出てくるという激美味しいレース(そんなものは皆無に等しいですが)が出てくることがあっても、忠実に3頭までに絞る事ができるように「狙い馬、美味しい条件の馬」を選べる力がもちろん必要になります。
もう少し現実的な馬券購入対象の絞り方
上記までの効率の良い馬券の買い方を、現実的な予想視点から決め事を作ると買い目を作りやすいかもしれません。そういった視点で追記したいと思います。
1.レースで狙い目の馬を絞る(最大2頭まで)
各レースにおいて基本、狙い目の馬を一頭探します。どうしても2頭狙い目の馬がいるなら2頭までOKですが、3頭以上狙い目と感じる場合は必ずそれよりも少なくなるように狙い目の馬を絞ります(それ以上になっている場合はレースの中での予想が絞りきれてないとみる)。狙い馬を絞れないようならパス。
2.狙い馬1頭の場合
単勝・複勝は「人気馬なら複勝、穴馬なら単勝」がオススメだが、どちらを買ってもOK。
そこから基本は馬連で切り捨てできない馬に対して流す。
3.狙い馬2頭の場合
馬連とワイドを2頭で買う。そこから3連系の馬券として「3連複」を2頭からフォーメーション流し。「3連単」も同様だが、買い目が多くなるのでそこを許容できるなら購入。
肝となるのは無駄な馬券を買わないことです。それによって長期的な収益が安定します。こうやってルールを決めておかないとついつい無駄な馬券を買ってしまいますので、ご自身での馬券購入ルールを決めるのが勝ち組の第一歩と言えるでしょう。