クラシック三冠競走(皐月賞・日本ダービー・菊花賞)の第一関門。よく皐月賞は「最も速い馬が勝つ」と言われているが、中山の内回り2000mを利用することもあり、確かにペースの緩まない速いラップでの凌ぎ合いレースで勝てることが重要。

ダービーのように長い直線の叩き合いや、菊花賞のようにタフさと勝負どころの動きはない点や、三冠では一番目のレースということで、レース経験の浅い馬が多く本格化していない馬も多く、勝負付けの部分でも判断が難しいところが見どころ。

皐月と言えば5月だが、桜花賞の次週に行われるため4月開催になっている。昔は5月上旬開催だった模様。

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中山競馬場の芝2,000m(内回り)を使用。スタートが正面スタンドの4コーナー側からで馬場を一周するスタンダードな競走コース、ただし2度の直線の坂があるように高低差は随一

概ねフルゲート18頭で行われるため1コーナーや4コーナーはゴチャ付いた展開になりやすい。向正面でもそれぞれが思惑で動くので淀みのない展開にうまく乗って4コーナーで差をつけるかは騎手の腕に掛かっている。

それほど競走数が多くない馬たちで評価されるため、オッズに関しては割れやすく正当評価も難しいレースになるため穴馬党が好きなレース。近年は仕上がりの早い社台系の馬が台頭著しい。

皐月賞の基礎データ

グレードGⅠ
賞金

110,000,000円

メーターは同じグレード内での賞金額の高さを表しています。

レース条件サラ系3歳 (国際) 牡・牝 (指定) 定量
コース条件2000m 芝・右

皐月賞のコースの特徴

中山競馬場・芝2000mコースの特徴とレース傾向、データ分析

↑コースの傾向分析は上記ページで行っています。

コース形状的には中央4場では急坂はあるものの最後の直線が短いので先行馬有利、特に後方から4コーナー大外ブン回しでは追いつかない。スタートに難がある馬が外枠に入っている場合はフルゲートで内に入るスキは少なく割引が必要そう。

ただ、最初の直線も長いのでポジション取りに困ることはどの枠でもそれほどなく、他のコースに比べて枠順での有利不利は意識しないほうが良い。中山開催の最終週にあたるため、馬場の内側の荒れ具合はチェックしておきたいが、最近は運営管理が行き届いており、大雨での開催などよっぽどのことがない限りは、馬場の内側でも走れることが多い

コース上での有利不利ではなく、中山の2000mというやや速いラップで、ペースも揺らぎ、高低差もあるタフな状況でも、最後の直線をバテずになだれ込む馬を絞っていきたい。前哨戦で何馬身圧勝といった歴史に残る三冠馬クラスがいない場合は接戦になりやすい。

脚質的には中団でペースに乗れていればチャンスあり。

皐月賞の過去10年の結果・ラップタイム解析など(2021年更新版)

皐月賞の過去10年の勝ちタイム、ラップタイムなどの情報です。

G1レースということで前半のペースが通常よりも速くスタミナを消耗しやすい。それに伴って、最後の方のラップはやや激しい消耗戦でペースが上がっていない。小回りコースで高低差もあるということで、瞬発力タイプよりは、スピード持続力タイプが得意とするレース

一定以上の力は必要だが、前哨戦とかである程度、皐月賞切符を得る馬の選別は取れている為、その中で走りが向いている馬を狙いたいところ。

皐月賞のローテーション

ステップレースでコースと距離が同じ弥生賞がコース適性の観点からも注目度が高い。ただ、スプリングステークスや東京競馬場のタフな共同通信杯組も本番で善戦する。オープン特別組が来る場合は実力馬が年明けデビューなど満を持してここまで足を運んだ場合で、滑り込みでの出走ではなかなか本番に勝てないことが多い。

個人的には皐月賞に関しては、あまり王道ルートがあるように思えないが、どの前哨戦でもタフなレースで最後まで走りきれているかに注目したい。皐月賞本番はフルゲートで揉まれて、ペース配分もかなり様々になりやすく、そして最後の直線の坂でもしっかり伸びるといった数個の関門があり一筋縄ではいかない印象。

皐月賞のクワドラント適性

クワドラント適性:OHタイプ
タフさと他馬を押しのけて良いコース取りが出来るような頑丈さが必要。しっかり抑えて最後伸びるタイプは府中のダービー向き。ゴリゴリ押してパワーで圧倒するような馬が最後まで粘り込んで勝つシーンが多い。しなやかに伸びて前哨戦を勝ってきたタイプは過剰人気しやすいので危険馬としてチェック。

皐月賞の馬券考察、予想対策

牡馬クラシック三冠の中ではもっとも穴馬が狙いやすいレース。逆に言うと一番人気の信頼度が薄くオッズもばらつく傾向があるため、当てにくいレースとも言える。狙い馬を定めても期待通りに全然走らないことも想定して馬券は手広く買ったほうが楽しめる

関東で行われるレースだが、関西馬の躍進が相変わらず凄い。たまに牝馬の挑戦が見られるが、そこまで甘くない場合が多い。前哨戦で強い勝ち方をしていても、まだまだこの時期では他馬の逆転が可能で、いろいろなステップレースから挑戦してくるため能力比較は難しいところ。

少ない過去のレース数で適正を見極めるのは難しいが、高低差のあるコースで淀みのないペースについて行ける体力と、最後まで前の方で走れるスピード感の両方がある馬の好走に期待したい。

柔らかい筋肉を持っていてバネのように伸びる強い馬は、ここではなくダービーで狙おう。近年は若駒のレベルが上っており、2分を切る勝ちタイム、上がりも34秒台という能力も必要。