日本の中央競馬の競馬場は全国に10個あり、それぞれ広さやコース形状が異なります。数値やデータなどでは比較ができるのですが、実際に同じ尺度で画像を並べたほうがイメージが付きやすいと思いますので、縦に同じ尺度で連結したものを作成しました。

せっかくですので公開したいともいます。矢印が走る向きで赤い線がゴール版の位置になります。コースの広さやカーブの緩急、そして直線の長さの参考になればと思います。

北から南に並べています。

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比較すると面白いことも見えてきますね。中央4場でも中山競馬場は内回りが小さく感じたり、東京コースよりも新潟のほうが直線距離が長かったり、楕円形の作りも違って、阪神や京都の3~4コーナーの作りも特徴的です。

せっかくですので、北から南まで10場のイメージを見た所感を書いてみたいと思います。

札幌競馬場

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北海道の競馬場ですが、他場よりもコーナーが大きいほぼ円形の競馬場というのが分かります。そう考えると本当に向こう正面は短いですね。

函館競馬場

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札幌競馬場と比べると函館競馬場の方が競馬場らしい形をしていますね。上から見ると分かりませんが、実は高低差が結構ある競馬場です。

福島競馬場

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一周の距離が一番小さい競馬場です。比較すると小さく見えます。3~4コーナーの形状がスパイラルカーブになっているのが分かります。4コーナーで勢いよく外に膨らむ感覚が掴めますでしょうか?

新潟競馬場

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さすが、直線1000mのコースが有るだけあって横長の競馬場です。その分、コーナーはかなり急ですね。外回りを使えばかなり直線部分が多いレースが行えることになります。

東京競馬場

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中央4場で内回りや外回りがない中、堂々とした大きさの競馬場です。チャンピオンレースが行われるだけありますね。ただ、1~2コーナー付近の変な形(ポケット)は、コースの有利不利を生みやすそうです。

中山競馬場

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並べてみると一番変な構造の競馬場と感じるのが、中山競馬場です。障害コースもG1が行われるだけあって見た目にも異様感が漂います。外回りコースは三角おにぎり型という表現が似合います。

中京競馬場

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生まれ変わった中京競馬場は中央4場に引けを取らない立派な大きさの競馬場です。G1レースが行われるだけのものを用意していると感じ取れますね。東京競馬場と連動性が高そうです。

京都競馬場

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2コーナーの奥のポケットや、やや窮屈な外回りなど特徴的です。外回りは3コーナーの坂の頂上から、ゆっくり下って内を突く作戦が使えそうなのがよく分かります。3~4コーナーの外回りは結構直線なんですね。

阪神競馬場

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外回りを追加したことで大きく生まれ変わった阪神競馬場です。かなり外回りが大きく取れたんだなぁと実感できます。川の溝みたいなものが通っているから大変だったのでしょう。外回りは東京競馬場並に本格的で右回りではチャンピオンコースと言えそうです。でもG1は内回り利用も多いですね。これはレースを面白くしたい意図(紛れ)があるんだと感じますね。

小倉競馬場

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西の小さな競馬場です。これまでいくつもの競馬場を見てきて最後に小倉が来ると可愛さを感じます。小回り平坦コースの典型例です。小倉なら勝負になるという馬も多いですね。

 

以上、中央の競馬場の上から見た横比較でした。なんとなくイメージが掴めるのではないでしょうか?私もたまに見直してコースの違いがどれほどあるのか確認し直しています。小倉競馬場なら逃げ切ったけど、阪神ではそうは行かん!とかコースの大きさだけ見ても感じます。

各競馬場のデータ一覧表

最後に中央全10場の競馬場データを表にしてみます。コーナー角は数値よりも単純に比較に使うのがよく、数字が小さいほどコーナーが急というイメージが良いでしょう。また3~4コーナーの計上は競馬場により半円ではなく、スパイラルカーブなど様々です。

競馬場名 芝1周(Aコース) ダート1周 芝コーナー角 ダートコーナー角 高低差(芝・ダート) メモ
札幌 1,640.9m 1,487m 144 125 0.7m・0.9m 平坦・円形
函館 1,626.6m 1,475.8m 145 130 3.5m・3.5m スパイラルカーブ
福島 1,600m 1,444.6m 138 108 1.9m・2.1m スパイラルカーブ
新潟 1,623m(内回り)
2,223m(外回り)
1,472.5m 136
136(外)
115.8 0.8m(内)2.2m(外)・0.6m スパイラルカーブ
東京 2,083.1m 1,899m 207 170 2.7m・2.5m 大きい
中山 1,667.1m(内回り)
1,839.7m(外回り)
1,493m 134
185(外)
109 5.3m・4.5m 起伏富む
中京 1,705.9m 1,530m 186 144 3.5m・3.4m スパイラルカーブ
京都 1,782.8m(内回り)
1,894.3m(外回り)
1,607.6m 168
167(外)
129 3.1m(内)
4.3m(外)・3.0m
2段コーナー形状
阪神 1,689m
2,089m(外)
1,517.6m 212
239(外)
193 1.9m(内)
2.4m(外)・1.6m
コーナが内外でかなり違う
小倉 1,615.1m 1,445.4m 113 86 3m・2.9m スパイラルカーブ

数字の羅列だけでは分かりにくい部分が多いので、実際の競馬場の図と走っているレースをみて、その後で数字を確認して各競馬場のイメージを頭に叩き込むのが良いと思います。京都競馬場などはコーナー形状がかなり独特で、コーナー内に直線と思われる部分もあります。

全部の競馬場にそれぞれの特徴があることで、得意とする馬、不得意とする馬が現れます。特にコーナーリングというのは得意不得意がよく表れますので、コーナーが急な競馬場でペースアップがしにくい馬というのはハンドリングが苦手、能力上位で人気しても危ない。逆にハンドリングで勝ってきて、直線の実力勝負の競馬場に人気になって出てきたら力勝負で怪しいなんて見方ができますね。

なお、地方競馬場のダートコースは一番大きい大井競馬場で中央の標準コースと同じぐらいの大きさがあります(最後の直線も長い)。しかし、殆どの地方競馬場は小回りで最後の直線も短いため、ハンドリングとパワーがない馬は厳しいというのが実情です。

【前編・北海道~南関東】地方競馬の全14場の競馬場を同じ尺度で並べて広さやコーナー角度を比較!

【後編・西日本】地方競馬の全14場の競馬場を同じ尺度で並べて広さやコーナー角度を比較!

地方競馬も似たような比較記事を作りましたので参照下さい。