POGことペーパーオーナーゲームの指名馬選定ではPOG本が参考になります。例年3~5月(4月末頃が多い)に次年度のPOGに向けたPOG本が出版されます。一口馬主をしている方にとってはPOG本に出資馬が載っているかも楽しみの一つですし、ダービー後に始まる新馬戦に向かって注目度が高い馬なのかが、前もって知ることが出来ます。

POGに参加するには、情報としてまとまったものを一つは必ず手にしておきたいです。

今ではネットの情報なども多いので、細かい情報はそこで手に入れることもできますが、やはり網羅的にまとめた本を一冊手にしているのでは、情報の取捨選別力も大きく異なるでしょう。一口馬主の当歳時のカタログ写真から2歳春の段階でどのように馬体を変貌しているのか?またPOG本での紹介時点から、いざダービーまでの活躍の状況を見ることで馬見の力もついてきます。

是非、POGは一冊は毎年手に入れてください。

POG本は例年たくさんの書籍が発売されます。一番メジャーなところでは「通称(赤本)」があり、それに伴って表紙のカラーから「青本」「黄本」「黒本」などの他に、ギャロップなどの週刊誌などの特集号など様々です。基本的には「馬体写真」「生産者リポート」「厩舎リポート」「編集者の推奨馬リスト」が含まれていて、取材内容などは同じ人に聞いていれば期待馬などは同じ情報になるでしょう。

違いと言えば「POGオススメ馬の選定(高額馬追いかけ、穴馬狙いなど)」「選定参加している著名人」などです。ですので、気になっている人が参加している本であったり、POGや一口馬主などでいつも狙っているタイプの書籍を選ぶという選択が出来ます。

代表的なオススメのPOG本は?

「POG本」には代表的なものとして「赤本」「青本」「黄本」「黒本(毛本)」「丸本(ギャロップ)」があります。最初の一冊にオススメなのは「赤本」でPOG用にうまくまとまっています。日高系の馬が気になるなら「青本」。高額馬などの動向なら「黄本」。競馬王の編集力なら「黒本(毛本)」。写真重視なら「丸本(ギャロップ)」が良いでしょう。

2023年には競馬王編集部からブック本として「一口クラブPOG」という「一口本」といえる新種も登場しました。また東スポから「ザッツPOG」という本も出ています。数が増えるほど「POG」は例年大人気の競馬行事になっています。一口民も増えていますが、競馬を楽しむために仮想でもオーナーになってみて馬主としての腕を磨くというのは楽しいと言えるでしょう。またPOG指名すると自然にその馬を追っかけて応援することになりますし、競馬をより楽しむことが出来ます。

一つ一つの本を少し紹介しておきます。

POGの達人 完全攻略ガイド(赤本)


POG本で一番メジャーな本と言えるでしょう。始めてPOG本を買う人、どれを買うか迷う、他の本の特色で気になる部分がない方は、この本を買っておけば間違いないです。ただし、「一番メジャー=多くの方が同じ情報を得ている」ということは気にしたいですね。

監修がPOGといえばこの人と言える「須田鷹雄さん」。その他メンバー構成が

辻三蔵、津田照之、後藤正俊、村本浩平、浅野靖典、小島友実、栗山求、平出貴昭、netkeiba.com編集部

となっています。名前にビビッときたら買いになります。それぞれの方がテーマ別「牝馬しばり、マル外しばりなど」にオススメの馬を紹介したり「印」を打ったりしているのでPOG指名馬選択には一番使いやすいです。

特徴の一つが「掲載馬の平等感」。比較的偏りを感じないのが定番本として1番目に挙げられる理由でしょう。

2023-2024号の情報(発売日:2023年4月21日)

  • 244ページ
  • 光文社出版
  • A5サイズ(厚み1.2cm)

とりあえず、POG本買いたいんだけど、なんかたくさんあるし迷うという方は赤本(POGの達人)をまず買いましょう!

天才! のPOG青本2023-2024 (メディアボーイMOOK)


鬼界に赤鬼がいれば青鬼がいるようにPOG本界の対抗馬は青本と言えるかもしれません。

基本的な紙面構成は赤本に似ていますが、大きな特徴が「日高地方」の生産牧場に強みがあるというか、そちらを少し多めに取り上げています。つまりPOG指名でも穴狙いしたい方にオススメです。相馬観で有名な「岡田牧雄」さんの目が多く、一口馬主では「ノルマンディーサラブレッドレーシング」や「マイネル軍団(ラフィアン)」といった非社台のマイナー血統でも注目馬を探したい人ですね。

もちろん社台系の馬もしっかりと載せていて、そこに岡田牧雄の他、安藤勝己・水上学・出川塁・日夏ユタカ・山田乗男・北村生など癖の強そうな方々の推奨馬が見られるので赤本との対比にも使えます

なお、カラー写真は少しだけ赤本よりも青本の方が大きく見やすいです。ただ、カタログ写真でどうこう分かるようなものでもないので、気持ち嬉しい程度ですね。

2023-2024号の情報(発売日:2023年4月24日)

  • 248ページ
  • メディアボーイ出版
  • A5サイズ(厚み1.2cm)

青本を買う人はやはりノルマンディーサラブレッドレーシングの出資者など日高地方の生産馬に興味がある方や、推奨馬執筆メンバーに気になる人がいるか?などでしょうね。ネットの情報で山田乗男さんなんかは新馬戦やPOGしか追っかけてないぐらいマニアックレベルです。

青本は赤本よりマニア受けするPOG本と言えるでしょう。新聞予想紙で言えば競馬ブック(赤本)に対して競馬エイトのイメージです(分かりにくい?)。

POGの王道2023-2024年版 (双葉社スーパームック)(黄本)


赤、青ときて次に何色を紹介すべきか迷いますが「黄本」に行きましょう!黄色本の特徴は「取材コメント数が多い(牧場の注目馬以外も載せている)」。後はオーナーサイドの取材も多く、高額馬をたくさん持っているオーナーへの取材も豊富です。

期待コメントが非常に多いので、どれもこれも推しに見えるのが玉に瑕なので、すこし割引程度で観察すると良いかと思います。ただ、高額馬の率直な期待感が見れるのでワクワク度はこの本が一番高まります。

競馬評論家の「丹下日出夫」さん。鈴木淑子さんがメンバーとしては中心でした。

2023-2024号の情報(発売日:2023年4月24日)

  • 280ページ
  • 双葉社出版
  • A5サイズ(厚み1.1cm)

特徴はやはり注目馬や高額馬への取材力でしょうか?後はコメント量が一番多いので、気になる馬の細かい情報が多いのが「黄本」かもしれません。注目馬の一口馬主になっている方は、一番ワクワクできる情報がある可能性があります。

POGに関しては、本で情報見ても見なくても注目情報が溢れそうな馬が多いかもしれません。赤本・青本ではコメントすらない馬を一口で持っていたら黄本には少し情報があるかもしれません。

また2022-2023年の最大の特徴はウマ娘のサイバーエージェント「藤田晋オーナー」へのインタビュー記事でしょうか?さすが、ミーハーというか追っかけ本ということで見逃しませんね。

競馬王のPOG本 2023-2024(毛本・黒本)


色属性でいうと「黒本」と呼ばれるのが競馬王のPOG本です。表紙に「毛」が載っているので「毛本」と呼ばれることもあります。載っている「毛」は毎年注目の1頭のものです。

毛の選定会議として編集部が総力を挙げて一頭を選ぶように「競馬王編集部(複数人)」が会議形式で注目馬を上げていくので推奨馬に納得感があります。

POG本として人気の高い本の一つです。メジャーな「赤本」や「青本」は情報を理路整然と載せるイメージですが、こちらは編集部の取材力や読み物的要素を強めています

「袋とじ企画」なども買った人にしか教えない情報を入れたりとやはり取材力勝負なところがあります。また「栗山ノート」という血統の好配合なども見られますので、血統素人でも血統に強くなれるので競馬初心者にもオススメです。

2023-2024号の情報(発売日:2023年4月26日)

  • 272ページ
  • ガイドワークス出版
  • A5サイズ(厚み1.5cm)

赤本や青本のどちらかで情報一覧的に使って、推奨馬選定にこの本で注目している馬を狙っていく方も多いですね。それぐらい選定馬には本気度が見えます。切り込み力が一線を画すると思います。

2023号は表紙見ても分かる毛の色、芦毛ですね!

丸ごとPOG2023~2024 (週刊Gallop臨時増刊)


週刊ギャロップのPOG臨時号も見逃せません。他の本と違う特徴の一つがA4版ということですね。見開きではA3サイズを使って写真掲載が可能です。カラーページが多く薄いですが、お目当ての馬の写真があれば一番気持ちよく見れます。

一口馬主クラブ一覧、母馬INDEXなど索引の調べやすさも特徴的です。恐らく「競馬王の編集部推奨馬」がみたいか「ギャロップの写真の迫力はみやすさ」重視かで、どっち買うか迷う人が多いでしょう。

2023-2024号の情報(発売日:2023年4月24日)

  • 244ページ
  • サンケイスポーツ出版
  • A4サイズ(厚み0.8cm)

厩舎コメントや生産者コメントなんて、どこが取材しても同じようなこと言ってるんだから「写真が豪華で目の保養に」と思う方は断然、ギャロップのPOG本をオススメします。私はギャロップPOG本を読むと、贔屓目に見てしまいそう(相馬観ないくせにいい写真見ただけで惚れてしまう)なので気をつけています。


以上、5冊の定番本を挙げてみました。もう一度まとめますと

  • 「赤本」定番。最初の一冊として
  • 「青本」。赤本の対抗馬、マイナー血統や日高生産の馬の情報も知りたい
  • 「黄本」ちょっとミーハー?高額馬、注目馬を積極推し
  • 「黒(毛)本」編集部の渾身の会議とやらを見せてもらおうか?読み物充実
  • 「ギャロップ本」グラビア写真充実。コメントよりもエモい馬体が見たい

こんな感じでしょうか?

上記5冊は毎年カラーを活かした内容で出していますので、年度ごとに買う本を変えてみて最後に固定してもいいと思います。最初に買った本が、自分の相性にあっている場合は、同じ本を買い続けることで読みやすくなると思います。

POG本を探している人は以上の5冊からどれか?または複数冊で比較など楽しむ人が多いです。しかし2023年には新種の本も登場しました。


「一口クラブPOG」という本になります。タイトルに有るように一口クラブで募集のある馬に絞って取材や編集をした本になります。ただ、競馬王編集部が作っているので本気度は「毛本」の方でしょう。中身を見ましたが、残念ながら一口クラブのカタログのような雑誌でリップサービスも豊富な状況。恐らくですが、POG本を買うような人は一口馬主をしていて、自分が購入した馬が他のPOG本に乗っていたら嬉しいと買う層が多いため、残念ながらそこでは埋もれることがあるため、一口に絞って本を出したのだと思います。

しかしながら残念なことに内容が「一口クラブに入っている人なら更新内容で見れる」程度のことしか書かれていないので、一口民にも微妙だし、POG民にも薄い内容になっていると思われます。需要を感じて出したのでしょうが、更新情報を載せるような需要はないので、もっと全クラブから順位付けするような競馬王が上に立ってクラブを評価する内容になって欲しいですね。今の状況だとただの一口クラブに忖度した宣伝本です。

東スポ主催でのPOGがあるので、東スポからもPOG紹介本があります。ページ数少なく安いのが特徴。全部見たくない注目馬だけ知りたい方には良いかも知れません。でもPOG本はやはり網羅本であったり、精力取材からオススメの一頭出してくれる方が面白いので需要は薄そうです。