馬券考察のテーマとしては、あまり発生しないけど出てきたら絶対に攻めたいのがWIN5のキャリーオーバー。WIN5はJRAの投票形式の中でもかなり特殊で、「指定5レースの1着馬をすべて当てる」という難易度の高い馬券となる。販売開始は2011年から。

難易度が高い分、高額配当が期待できるが、もちろん的中率はかなり低い。

また控除率は30%とJRA発売の馬券の全式別の中では、もっとも払戻率が低くなる。

「単勝(80%)」「複勝(80%)」
「馬連(77.5%)」「枠連(77.5%)」「ワイド(77.5%)」
「馬単(75%)」「三連複(75%)」
「三連単(72.5%)」「WIN5(70%)」

普段であれば、一攫千金は期待できるけどまともに(期待値を上げようと考えず)買っていては一番投資金額に対して期待値が低いものとなる。

win5co

そんな割に合わないWIN5の中で、唯一特殊な条件がキャリーオーバーで、WIN5で的中者がいない場合や払い出し上限(2014年以降6億)を超えた場合、次回のWIN5に売上金が持ち越しされる。つまり次回のWIN5はプール金がかなり貯まっていてお得な状態になる。

なお、他の馬券式別で的中者がいない場合は特払いとして、購入者全員に控除額を引いた分で払い戻しが行われる。

WIN5のキャリーオーバー発生時の期待値の計算

WIN5でキャリーオーバーが発生した時の期待値が上がることは、払い戻しが単純に増えるということで容易にわかる。では、どの程度お得な状態になっているのか計算してみたいと思います。

概ねWIN5は日曜日の5レースで行われているが、総売上額は6億程度となっている。

20141123carryover

過去に何度かキャリーオーバーが発生しているが、やはりキャリーオーバー発生後は期待値が高いことを知っていてか、普段の2倍近い投票が毎回確認できる。

ということでキャリーオーバー発生時の売上が6億、お得になるキャリーオーバーありの売上を12億として期待値を計算すると・・・。

通常の期待値70。6億 x 0.7 ≒ 4.2億のキャリーオーバーが発生。

12億 x 0.7 + 4.2億= 12.6億→ 12.6億 ÷ 12億 x 100 ≒ 105

期待値がなんと100を超えた!キャリーオーバーで期待票が増えて2倍の売上でも100の期待値を超えるという検証結果となる。宝くじでもキャリーオーバー発生時は期待値が上がるがもともと45%程度の払戻金なので、100を超えるようなことは殆ど無い。

しかし競馬のWIN5に限っては100を超える瞬間が過去にも確認されている。それほど、お得な状態ということになる。

またWIN5は自分で投票する馬を決めることが出来るので、実力で期待回収値を上げることも特徴の一つ。普段から単勝馬券の期待値を上げて買う術を知っている人にとっては千載一遇のチャンスとも言える。

キャリーオーバー発生時は年末ジャンボを買うよりも明らかに割の良いギャンブルといった印象。

キャリーオーバー発生時は確実に売上が上がってしまうが2倍だけの検証だと少しさみしいので売上の増加が0.1倍刻みでシミュレーションした期待値を表で載せておく。

carryoverkitaichihenka

売上が2.3倍になってもまだ期待値は100以上、4倍になっても87.5と競馬の回収率としては割の良いギャンブルの値が出ている。

過去のキャリーオーバー発生(的中投票0)を紹介しておく。

  • 2014年11月23日 売上約5.9億→CO約4.1億→翌売上約11.5億(約1.95倍)
  • 2014年9月7日 売上約6.5億→CO約4.4億→翌売上約15.8億(約2.42倍)
  • 2013年5月5日 売上約7.3億→CO約5.4億→翌売上約17億(約2.35倍)
  • 2011年9月4日 売上約11.6億→CO約8.5億→翌売上約28.3億(約2.45倍)

やはりキャリーオーバー発生で期待値が上がるため概ね2倍程度売上が上がる模様。

WIN5のキャリーオーバー発生時は、普段よりは確実にお得な馬券は間違いなし!

もしかしたらキャリーオーバー発生時は注目されて多くの方がWIN5を買うため期待値100以上にならない可能性もある。ただ、3倍の売上でも93.3という超高期待値で、4倍でも87.5となかなか高い値と言える。

結論から言えば、普段競馬をする人にとってはこれ以上無い勝負時と結論づけ出来る。

過去に発生したキャリーオーバーとその次の回の結果を載せてみる。

2014年11月23日

20141123

2014年9月7日

20110904

2013年5月5日

20130505

2011年9月4日

20110904

どうだろうか?投票数が多くなるからかもしれないが、結構的中本数が多い気がする払い戻しはせいぜい100万程度だ。WIN5は数千万や数億の払い戻しがあることも醍醐味の一つだが、キャリーオーバー発生時のように100万ぐらいの配当金でもやはり嬉しいものだ。

さらにそれが期待値がかなり高いとなれば、やはり宝くじ感覚で宝くじよりも割の良い、ドキドキの味わえる滅多にない勝負時といった考えで攻められる。

WIN5で勝つための普段の買い方

最後にWIN5の攻略法というか勝つための買い方をおさらいしながら考えていきたい。

WIN5はもともと払戻率70%と中央競馬の勝馬投票券の中では一番期待値が低い馬券となる。ただし、単勝で5つの馬を狙うということは単勝回収率の期待値の高い馬を5頭掛け合わせる馬券が買えるということになる。

例えば単勝馬券なら回収率80%なため、儲けるためには1頭で+20%の期待値が上がる馬を探さなければならない。これは相当至難な技だし、毎レースそんな馬が出てくるとは考えづらい。WIN5なら5頭を選ぶことが出来るので期待値100を超えるためには合わせて+30になる馬の組み合わせをかけ続けることが成功への道となる。

5頭で割れると考えれば1頭あたり期待値+6%になる馬を指定5レースから組み合わせて買うというのが継続して勝てる買いかたになる。

WIN5の問題点は試行回数が年間で50回程度と圧倒的に数が少なく、また的中難易度は最難関なため、確率論では全く安定しないものとなってしまうことが挙げられる。つまり期待値のいい馬券を買い続けても、正直死ぬまでに確率通りの収束にならない可能性のほうが高い。

そういう意味では宝くじを買うぐらいなら、こっちを買って人生という博打を楽しんだほうがいいレベルの考え方でいいかも知れない。

それでも、なるべく勝てる方法で馬券を買いたい場合。鉄則としては

  1. 的中しないので人気サイドは過剰投票が入りやすい(抑え馬券・無駄馬券が買われやすい)
  2. 配当上限超えのキャリーオーバー発生レベルの大穴馬券は回収率が落ちる(大穴は全ての馬券種で効率が悪い)
  3. 中穴が良いが、指定5レースの中で単勝期待回収が100を超えるような馬が組み合わせるかが問題、組み合わせて大穴すぎると買えない
  4. キャリーオーバー発生時はやはり特別買い時

こんなところでしょうか?他の馬券で勝てるようになればボーナス馬券として遊ぶというのはいいのかもしれません。

最後に、高額馬券を当てると税金をがっぽり持っていかれるという問題もありますので、ほどほどに考えたほうが良いかも知れませんね。