新馬戦をノルマンらしからぬ2番人気からの驚異の末脚で圧勝。「期待できるけど、期待して良いのか?」まだ不安もあったデアリングタクトの2戦目は短期放牧を挟んでリステッドのオープン戦「エルフィンステークス」に駒を進めてきました。同時に重賞のきさらぎ賞にも登録するなど、臨戦態勢はかなり整っていました。

週中の予想オッズでは5~6番人気?10倍以上のオッズが本当に付くの?と思っていましたが結局は3番人気の単勝オッズ5倍以下と下馬評でも評価が高かったです。新馬戦と同じく、本当に期待して良いのか?ノルマンディーの馬に出資している人からすれば感じる部分もあったかも知れません。

それにしても、このエルフィンステークス。戦前からあるドラマを感じました

1番人気の馬はあのシーザリオの子でファーストフォリオでした。シーザリオと言えば、名牝中の名牝(オークス馬)で、産駒にはデアリングタクトの父親である「エピファネイア」の他、サートゥルナーリアなど超良血です。そのシーザリオとキングカメハメハの子がファーストフォリオになります。

ファーストフォリオの母シーザリオとデアリングタクトの祖母にあたるデアリングハートは桜花賞で2着と3着でしのぎを削っています。デアリングハートは重賞勝ちをいくつかおさめるもG1では2着までと隠れた強い馬でした(デアリング一族は有名かと思いますが、このような背景は競馬好きなら1時間以上は話のネタになりそうです)。血の縁がある子供たちが相まみえる一戦となっています。

さらに2番人気のライティアも母シンハリーズ・父ディープインパクトとシンハライト(オークス馬)の全妹ですね。

戦前にはデアリングタクトは隠れ良血と言われるレベルで、面白いなと思う反面、新馬勝ちは強烈だったけど3番人気で本当に良いのか不安な部分もありました。

2/08(土)京都・エルフィンステークス(芝1600m・牝)松山弘平騎手 優勝!

daringtact2nd_kekka

結果は再び目の醒めるような末脚で大外から差し切って快勝です!オープン競走で大外を回って4馬身差をつけて勝つのは本気で強いと思います。戦後はかなり話題に上がる馬になるのは間違いないですね。

今後はプレッシャーを受けながらの戦いかもしれません。でも、ノルマンディーの一口の馬でついにクラシックに期待を少し寄せても良い馬が誕生したと言えると思います。レースの後からワクワクが止まりません。

いつもの通りリプレイ画像を見ながらレースを振り返ってみたいと思います。ちなみにレース展開としてはツイッターで少し書いたのですが、武の馬が2枠で馬場を考えると外に持ち出してタイミング図って勝ちに来ると思っていました。外枠になったデアリングタクトは切れ脚で外を通れば面白いと思っていたので、思い通りのレース運びです。ただ、4コーナーで後ろから追い上げている時点では伸びなかったらどうしようとまだ不安でした。

では、見ていきましょう!

daringtact2nd_1

スタートは今回はデアリングタクトはうまくなく、やや後方からの競馬となりました。レースを生映像で見てましたがゲート内でキョロキョロしてたり、鼻をゲートに擦り付けるような仕草も見れたので、まだまだ子供な印象はあります。

結果的にゲートがちょっと遅くてよかったのかも知れません。先行馬はまだ幼さもあってか、掛かり気味に見えました。後方にいたほうがゆっくりと競馬ができましたね。松山騎手は新馬戦の切れ味を知ってますので、落ち着いたレース運びが出来ました。

daringtact2nd_2

後方で武豊騎手のライティアは本当に上手な騎乗ですね。ゆったり走らせて、図って外から差す競馬をしようというのがこの時点で見て取れます。デアリングタクトは、このライティアを内に見るポジションを取れたのは今回良かったと思います。

daringtact2nd_3

早くも4コーナの映像に回しますが、この時点で後方3番手、あまりに後ろだとちょっと不安も、でもライティアも同じ位置だし、ここまでは信用してました。

daringtact2nd_4

4コーナーの外回りと内回りの合流地点です。デアリングタクトは大外に持ち出して距離損があるものの前を捉えることが出来る位置まで上がってきました。ここで、これは行ける!と思いました。後は新馬戦のような末脚が炸裂するかどうかです。

daringtact2nd_5

直線半ばではもう先頭に立っていました。他の馬とは脚力が違いました。レース後の2着の武騎手のコメントが非常に嬉しく「勝ち馬が強すぎました。」とのことです。

daringtact2nd_6

ゴール前ではカメラは引き画面というレベルの圧勝です。ゴール板手前ではもう抑えていましたが、追ったからもっと伸びるわけでもないと思うので、強さはとりあえず感じられたと思います。ここを善戦すれば桜花賞が見えてくると思っていましたが、これは出来過ぎレベルの結果です。一気に強い馬として話題に出てくると思います。桜花賞日の新聞紙上を賑わせてくれたら出資者としては感動ですね。

勝ち時計の1.33.6はレースレコード。あのウォッカが1.33.7をマークしています。また結果の上がり3Fを見ても1位時計で34.0でした。2番時計で34.9ですので、大外を回って距離損もある中ですのでかなり強い勝ち方をしたと思います。

リステッド競走で賞金を獲得したので、桜花賞の出走権は手に入ったのではないかと思います。後は状態に問題がなければ、トライアルレースとなるチューリップ賞を挟むのか?といったところでしょうか?

それにしても楽しませてくれそうな馬が登場しました。もうエルフィンステークス勝っただけでも大満足ですが、まずは桜花賞目指して、コンディションをしっかり整えてくれたらと思います。