ふと、競馬の予想技術や精度っで過去に比べて、情報も増えているし高くなっているのではないか?と調べてみたくなり、人気に対する「的中率」「回収率」が年々どのように変化しているのか?調べてみると面白い結果が出てきましたので紹介します。
前提としては・・・
- インターネットや高度情報化によって予想の精度は上がっているのではないか?(つまり人気馬が勝つ)
- その他、何か年度ごとに人気に対する変化が見つからないか?
これらを調べるため、ターゲットを使って過去のデータを検索しました。すると出てきた結果としては前提条件とは違ったものが見えてきています。
さっそく、生のデータ検証結果をチェックしてみましょう。
単勝1番人気の年度別状況
単勝一番人気の勝率は概ね3割と昔から言われていますが、過去に比べるとどんどん勝率が下がっているのが見て取れます。また連対率・複勝率の下がっています。一方、回収率は若干程度の下げです。
なお、勝率などが下がっているのに回収率がそこまで下がってないのはオッズが多少上がっていると見て下さい。
つまり大衆の一番人気の確信というものは、年々上がるどころか下がっています。これは面白い結果ではないでしょうか?20年掛けたところで大衆の予想というのは勝つ馬を当てる技術が上がっているわけではないということです。つまり、勝馬なんて分からない。さらにもっと分からなくなっていると考えられます。
いろいろな予想ファクターがあるかと思いますが、複雑になっているだけでその殆どが的中率向上には役に立っていないという驚愕の事実ではないでしょうか?
一番人気の勝率などが下がっているとすれば、他の人気はどうなっているのか?さらにおってみました。
単勝2番人気の年度別状況
2番人気も勝率や連対率などは下がっています。いわゆる対抗として印を打たれる馬の信頼度も落ちています。ただ、回収率の変化はあまりないのでオッズ自体は上がっているといえるでしょう。
なお、2番人気は概ね2割程度勝てて、4割ぐらいは連対。半分は3着に来ています。
1番人気に比べると単勝の期待値は上回りますが、複勝の期待値は1番人気のほうが上ですね。
単勝3番人気の年度別状況
続いて3番人気です。3番人気も若干ですが連対率や複勝率は下がっています。ただ、勝率は1番人気や2番人気ほど下がっておらず、このあたりで勝率安定になってきています。
回収率に関しては単複いずれも年々上昇傾向です。
単勝4番人気の年度別状況
4番人気から勝率が1割を下回るとみるとわかりやすいです。さらに連対率もちょうど20%程度、複勝が3分の1程度です。ちょうど穴人気当たりだと思いますが、回収率は徐々に上がってきています。
とはいえ1~3番人気に比べて期待値は低いです。低いのですが、過去に比べて改善傾向になっているのを見ると予想技術の変化というのは下位人気の馬を抽出するのに若干秀でてきたと見ていいのかもしれません。
単勝5番人気の年度別状況
5番人気も4番人気と似たような傾向ですが、期待値の改善が見られますね。
単勝6番人気以下の年度別状況
最後に6番人気以下をあわせてみてみます。こちらは頭数などで人気データが変わってくるのですが、年々の傾向としては下位人気の馬は馬券に絡みにくくなっているけど、回収率は上がっていることがわかります。
つまり皆さんのある程度の予想は当たっている(人気馬の的中率は上がっている)けども、その分下位人気の馬のオッズが上がっているため回収率が上がっているのが伺えます。
ここまでの結果を少しまとめてみますと
- 1番人気は年々、勝率・複勝率などが低下している。ただし回収率はやや低下もあまり変わらない
- 2番人気まで勝率複勝率低下傾向、3番人気でイーブンで5番人気までは改善傾向
- 6番人気以下(つまり下位人気)は勝率等低下も回収率は上昇
- 特に3番人気(予想印▲単穴レベル)で傾向がフラットに
データに関しては、前提というか想定していた1番人気の的中率の向上は全く見られませんでした。
ここまでで一つの結論として出るのが、予想技術が複雑化・高度情報化することで「上位人気(5番人気ぐらいまで)の正確性が出ている」「しかし回収率はテラ銭があるので収斂してそれ以上にいかない」「下位人気の馬のオッズが上がっている」と言ったところが分かります。
ただ、1番人気に限っては勝率などが下がっているので5番人気までの上位人気、それ以下の下位人気の区分け技術は上がっているものの、では勝馬を1頭当てるというゲームに関しては20年以上見ても向上が見られない(むしろ下がっている)というのが分かります。
「馬券考察」
ここから馬券に関して考えてみましょう。インターネットの登場などで20年前よりも、手にする情報量は格段に増え、簡単に多くの方が、色々なファクターを駆使して予想できるようになっていますが、意外にも勝ち馬を当てるという行為は向上するどころか、微妙に落ちているという結果がわかりました。
ここから一つ言えるのは、競馬には不確定要素が多分に含まれているということを理解して、レースが的中しようが的中しまいが、そういうものだと受け入れて馬券組み立てする必要があります。
当たった当たらないに一喜一憂すると、いずれ馬券的には大衆の心理と同じものになってしまい結果的には20年変わらなかった状況と同じ繰り返しになります。そうではなくて、いつの時代でも予想の複雑化はしているが、大衆の予想はあまり変化していないと考えるべきです。
長年のオッズと回収率の傾向からみられるのはやはり6番人気以下の不確定要素があっても勝てないような馬を選んでいてはテラ銭を除いた回収率よりも悪く相当頑張らないと厳しいという点、一方で1番人気は過剰人気になりやすく、こちらも大衆心理と同じになるわけで結局テラ銭を抜いた部分へ収斂する程度にしかならないということです。
私が安心したのは、大衆の予想精度が上がっていて馬券妙味のあるレースが減っているかもしれないと思っていたので20年近くもそういった傾向が出ていないということは、今後も同じような傾向が続くと見て良さそうです。