創設は1965年。函館競馬の重賞では名前の雰囲気とおりもっとも伝統がある重賞。1968年から芝2000mで行われている。函館競馬の後半の古馬クライマックスにあたり、ハンデキャップ競走ということもあり競馬好きの夏を彩っている

2006年から始まった「サマー2000シリーズ」の第2戦として指定されている。G1では手が届かなかった馬やローカル巧者、洋芝得意といった馬たちが重賞制覇を狙う。

hakodatekinen_course

函館競馬場芝2000mで争われる。スタート地点は4コーナーの引き込み線奥。

函館記念の基礎データ

グレードGⅢ
賞金

41,000,000円

メーターは同じグレード内での賞金額の高さを表しています。

レース条件サラ系3歳以上 (国際)(特指) ハンデ
コース条件2000m 芝・右

函館記念のコースの特徴

函館競馬場・芝2000mコースの特徴とレース傾向、データ分析

↑コースの傾向分析は上記ページで行っています。

函館競馬場の1周コースは1800m走が多いが、重賞レベルということで200m伸ばして行われる。当然、最初のスタートからの直線が長くなるが、芝1800mと同じように1コーナーまでの先行争いは続く。よりポジション取りが厳しくなるため、2F目のペースは極端に速い

函館競馬場のコースの高低差は1コーナーへ向けて下り、2コーナーに向けて登ると行った「変なところで加速がつく形状」となる。スタートからの直線で加速がついた馬たちは1コーナーの下りを利用しながら、膨れないようにコーナーリング、2コーナーの上りでバテないように一気にペースが緩む。

しかし2コーナーを周りきると、ポジション取りを距離ロスなく行える直線部分となるので、ここで行くのか貯めつつ仕掛けどころを測るのかが騎手の腕の見せ所。3~4コーナーで外から膨れて回っては距離損で追いつかないので、4コーナーでは隙間を狙って窮屈になりやすい。

馬にとっては道中のラップ変化が激しい流れとなるので、そういった対応力のある馬を狙いたい。つまり小回り得意で操縦性の高い馬になる。直線が長ければ加速するけどという馬は、このコースでは力を発揮しにくい。

枠順の利は1コーナーで「前目ポジション」を取りやすい「内枠~中枠」「ゲート後入れの偶数枠」にある。

函館記念の過去10年の結果・ラップタイム解析など(2020年更新版)

函館記念の過去10年の勝ちタイム、ラップタイムなどの情報です。

※2009年は札幌競馬場で開催

毎年ラップがばらばらになっているのが特徴で、それだけ騎手の判断によって道中のペースが変わる印象。いずれにしても瞬発力で勝てるようなレースではない。さらに梅雨時の雨の状況によって馬場の荒れ具合(重たさ)も変わってくる。基本的には重たい洋芝でラップ変化が激しいと馬は消耗しやすい。

重馬場やラップ変化を苦にしないタフさのある馬に勝機が訪れる。後は展開のアヤでレース結果はコロコロ変わりそう。

函館記念のクワドラント適性

クワドラント適性:OHタイプ
完全な「OH」タイプ。洋芝得意の馬、タフな競馬に強い馬ということで調子の良さも欲しい。後はうまくレース運びが出来ることも重要(道中消耗しないため)。ジョッキーの手腕はなかなか予想は難しいため、敢えて言えば特段うまいジョッキーでなくても勝てる重賞レース。馬が器用でタフなタイプを選びたい。他のOHコースでの戦績が重要。

函館記念の馬券考察、予想対策

蓋を開けてみなければ分からない要素が満載のレース。そのため、オッズも割れ傾向で荒れるのが普通になっている。スタート一つで結果が変わるようなレースなので、あまりレース前に頭を捻って考えても時間の無駄かも知れない。

枠順は内枠のほうが良いが、人気のある馬が内枠で先行力がなければ包まれて何も出来ない可能性もある。その場合は逆に危険な人気馬として取り扱いたい。レース次第で結果が変わりそうなのでオッズは当てにせずに予想するほうが精神上良さそう。

また、洋芝の重い馬場で、ラップ変化に付いていきながら先行できる馬が狙い目となるが、正直レース前でどこまで診断できるかというのはある。見逃していた馬が実は重い馬場でも平気という場合があるので判断がつきにくい。

末脚は気にしなくていいので、出馬表のメンバー構成からスタート後の二の脚で1コーナーのポジション取りが前目につけそうな馬を網を張って買うような感覚で買いたい。後は騎手がうまく乗ってくれることを願うのみか?

この重賞はなかなか重賞に手が届かない「ローカル騎手」でも十分手が届く重賞なので、リーディングジョッキーのペース判断や乗り方はあまり関係なさそう。小回りの判断力が重要となる。