秋の牝馬女王決定戦、3歳のクラシック戦線の活躍馬と古馬勢とが対決するレース。もともとは牝馬三冠最後のレースだった。近年は秋華賞があり、同じ京都コースでも向こうは内回り2,000m、こちらは外回り2200mとどちらも様相が変わったレース展開が楽しめる。

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京都競馬場の外回りは3コーナーの上り坂から勝負の行方を左右する。ゆっくり上り、ゆっくり下がるのがコツと言われているが、オーバーペースになると直線でバテてしまうからで、エリザベス女王杯でも当てはまる。

特に秋華賞が内回り2000mと直線が短く、揺るぎないラップで前残り勝負なだけに、雰囲気も対戦相手も変わるこのレースはG1レースでも再び見どころが増えることで楽しめる。

また秋華賞馬よりもエリザベス女王杯馬の方が馬の能力的には高いイメージがある(秋華賞は運や勢いで勝ててしまうことも)。

※2020~2022年は阪神競馬場での開催。内回り使用で宝塚記念と同じ舞台。例年とはコース形態は明らかに変わってくるので、傾向の違いは気にしたい。

エリザベス女王杯の基礎データ

グレードGⅠ
賞金

105,000,000円

メーターは同じグレード内での賞金額の高さを表しています。

レース条件サラ系3歳以上 (国際) 牝 (指定) 定量
コース条件2200m 芝・右外

エリザベス女王杯のコースの特徴

【京都競馬場】芝2200mコースの特徴とレース傾向、データ分析

↑コースの傾向分析は上記ページで行っています。

スタートはホームストレッチから、やや勢いをつけて1コーナーの先行争い、そして2コーナーへと入っていく。向正面に入り折り合いを付かせようとするがなかなか難しいところも見どころ、3コーナーの手前の坂で自然とペースが緩むがすぐに下りに入っていくので、ここでのオーバーペースに注意したいところ4コーナーでは大きくバラけるがあまり外外を回っていると距離損で厳しくなる。出来れば4コーナーまではじっくりインで待機して中の空いたところを狙っていきたい。騎手の手腕が問われるところ。

コーナー4つのレースで基本的には内枠がやや有利、特に外枠の先行馬はスタートからお仕上げて進むことになれば、オーバーペースで外を回るという展開になりやすい。

2200mの中途半端な距離だが、どちらかと言えばスタミナがあって長くいい脚がある馬向きで、短距離得意や短距離血統は苦戦。2400m以上での好走がある馬のほうが信頼が置ける。

秋の京都競馬の後半になり内側の馬場の荒れは見た目上目立つが内ラチ柵の移動で上手に対応しているので、荒れたように見えても内は使える。レース前日・当日の他のレースでどこが伸びているかのチェックもしたい。

阪神競馬場・芝2200mコースの特徴とレース傾向、データ分析

※2020年は京都競馬場改修により阪神競馬場での開催になる。阪神開催2周目にあたり馬場に関してはいつもよりは良くなりそう。外回りではなく内回りなので、明らかにレースの質が変わる(ラップ的に)ので注目狙い馬は変えていきたい。

エリザベス女王杯へのローテーション

3歳クラシック戦線を戦ってきた馬と古馬との対決、古馬は前年度にクラシックを賑わせた馬であったり、牡馬と春のG1などと競ってきた馬や、クラシックには間に合わなかったが遅咲きで重賞を勝ち上がってきた馬などが毎年出てきて、能力比較が難しくオッズが分散傾向になることが多い。

最適ローテーションというのはあまりない印象。各馬の過去の競走成績(特に2400mなどの長距離)で善戦をしている馬が良い、逆に距離が不安だけど能力で勝てるかも?と期待される馬はやや危険な人気馬になりやすい。

府中牝馬ステークスは芝1800mのレース、クイーンSも同じ、秋華賞も2000mとやや距離が足りないので、前哨戦よりも前のレースもチェックして、他の重賞やオークスでの走りなどまで確認してスタミナチェックをしたいところ。

エリザベス女王杯の過去10年の結果・ラップタイム解析など(2020年更新版)

エリザベス女王杯の過去10年の勝ちタイム、ラップタイムなどの情報です。

平均よりも若干速いペースで流れるのはG1レースらしいが、後半3Fの展開が相手関係などで変化する。平均では上がりの瞬発力勝負になりやすいが、G1レースだと何故か残り2Fでペースダウンが多い。残り2Fは通常なら最後の直線に入ってペースアップするところ。ここで一旦緩んでしまう年が過去には何度かある。

ここ最近はすんなりと末脚勝負になっていることが多く、G1レースということで各陣営の思惑で一発勝負に来ている可能性が高い。相手関係で展開を予想するのは非常に面白いレースとなっている。

※2020年は阪神競馬場内回りの芝2200m戦。京都競馬場(外回り)とは似て非なる部分がいくつかある。直線が短くなるので、恐らく向こう正面からのジリジリとしたスピードアップ。最後にバテそうなところに坂があると言ったタフな展開予想。瞬発力よりもスピード持久力で耐え抜いた馬に勝利が訪れそう

エリザベス女王杯のクワドラント適性

クワドラント適性:Oタイプ
基本はタフで最後の直線の末脚もいる「OT」コース。ただしG1レースで牝馬限定戦ということもあり、陣営の思惑や騎手の判断が駆け引きとして大きな要素をしめて適性よりも結果が異なることも多い。逃げ残り、外の末脚強襲のどちらもゴール前で一気に入れ替わるレベルのレースが見られる。 ※2020年は京都→阪神。より「Oスタミナ寄り」で「T要素は下がる」傾向。タフな戦いに強い馬を指名したい。「OT」→「O」へ変更

エリザベス女王杯の馬券考察、予想対策

牝馬同士の戦いとなるが、実はそれほど荒れる印象がないのがエリザベス女王杯。牝馬三冠で言えば桜花賞・秋華賞よりもオークス寄りな考えで馬券を組み立てたい。能力とスタミナ、直線で長く支える脚を持っている馬がまずは馬券対象。

後は騎手と枠順、展開の絡みで4コーナーから内インを付いてきそうな馬は抑えで買っておきたいところ、関西騎手のリーディング上位騎手などは戦略をよく知っている。

一方、距離不安が感じ取られる馬(陣営コメントではなくて、実際の過去のレースで長距離でバテている馬)は能力云々ではなくて、このレースでは苦しいことが多い。

年齢的には3~5歳までは等しく好勝負になることが多い、それ以上の年齢は苦戦傾向。

ここ数戦で結果が出ていない馬でも能力が感じられる馬であれば激走する可能性あり。当たらなくてもお気に入りの狙い馬から攻めたいレース。

レースに入ってからの判断で展開が丸代わりするくらい展開が読みにくいレースなので、結局過去の大穴で残っているのは先行・逃げが出し抜いて2着以内に粘っていることが多いというのは頭に入れておきたい。思い切ってそういった馬が直線我慢するのを期待するという手もあり。

※2020~2022年は阪神競馬場開催というのを踏まえて、坂のある阪神ならという馬に心中する作戦もあり。いわゆるパワータイプの台頭もある。宝塚記念や有馬記念を好走するようなタイプを検討したい。いわゆる小足も効きつつパワーもあるタイプ。