競馬の予想をするときには、馬の能力比較はもちろんですが、そのレースが馬の適性に合っているか?というのも気にするところでしょう。特に能力比較ではオッズに反映されていますので、それだけの予想ですとなかなか歪みから美味しい馬券を得ることは難しいかと思います。
それぞれの得意分野(血統、指数など)で他の人には見えていない、美味しい馬券を買うというのが競馬の勝ち組への一歩となりますが、私はよく「コース適性・レース適性」でオッズに反映されてない馬がいないかを見ます。
それを分かりやすくするために「クワドラント(四象限)」でグラフ化することで区別しました。クワドラント適性理論と勝手に名付けていますが、このサイトでは「重賞競走ページ」と「コース別ページ」にてこのクワドラント適性理論がどこに来ているのか紹介しています。
クワドラントは横軸と縦軸でそれぞれどちらよりかに分けることで全部で9つのパートに分かれています。
このページではクワドラント適性理論のそれぞれの内容について紹介します。
縦軸はスピードタイプか、マラソン障害タイプか
まずは縦軸の紹介です。
縦軸は上に行くほど「Speedタイプ」、下に行くほど「Obstacleタイプ」です。Obstacleは障害の意味で、走りにくい馬場であったり、高低差など、タフな動きが必要な状況が多いとこちらになります、Speedは分かりやすいと思います。車で言えばきれいな舗装路ですね。F1レースなのか?パリダカなのか?のイメージです。
それぞれの頭文字をとって「S」と「O」で分けています。
馬はバイクに例えても分かりやすいかと思いますが、Speedタイプはタイプがオンロード向けで細いタイヤ、とにかく道さえ良ければスピードに乗るタイプです。反対にObstacleタイプはオフロード車ですね。タイヤがボコボコして太く、トップスピードはないけど荒れたところでも速いスピードで走れます。
縦軸はもう一つの要素も含めています。それはスピードタイプは燃費が悪く、縦軸が下に行けば燃費が良い方が強いということです。馬力を発揮しながら、最後まで走る余力を残せるようなタイプが下の方になります。
上記表では、競馬の要素でそれぞれ何があるとどちらのタイプになりやすいか書いていますので参考にしてください。こちらにも転記すると
Speed(トラックレース、走りやすい)
全体時計速い、全体平均ラップ順位良い(先行力・前傾ラップ)
軽い馬場(野芝)、平坦、芝、開幕馬場
大型馬(短距離体型)、トップスピード型、蹄大、F1タイプ力は要らない、消耗戦に弱い(燃費悪)、時計決着に強い
圧倒か凡走
Stamina,Obstacle(マラソン、障害レース、走りにくい)
全体時計遅い、上がり順位良い(後半力・後傾ラップ)
重い馬場(洋芝)、坂(高低差)・タフ構造、ダート、荒れ馬場
小型馬(マラソン体型)、掻き込み型、蹄小、SUV(HV)タイプ力がいる(Power)、消耗戦に強い(燃費良)、時計決着に弱い
そこそこ健闘
コースや過去のレースをみて、上記のどちらによく当てはまっているかでレースの質をチェックしています。面白いのは長距離でも、途中まではダラダラと走って結局最後の1000mのスピード勝負みたいなレースもあるので、単純にスピード⇔スタミナで分けると難しいとして、このようにしています。
横軸は直線で伸びるタイプか、小回りでハンドリングが効くタイプか
次に横軸の紹介です。
マリオカートをした人は分かると思いますが、クッパのような重いカート(上級者向け)はTractionタイプ、キノピオのようなハンドリングしやすい(初心者向け)はHandlingタイプです。Tractionタイプの方がただの直線コースなら絶対強いのですが、競馬場はカーブがあったり、他の馬との兼ね合いもあるのでそう簡単には行きません。
それぞれの頭文字をとって「T」と「H」で分けています。
上がり3Fが速く強烈な末脚でバネのように伸びる馬はTタイプです。これらの馬は能力がありますので人気します。反対に直線だけなら分が悪いけど、ジリジリと脚を伸ばしてコーナリングするのが得意な馬もいます。こちらはHタイプです。Hタイプは決め手にかけるので、Tタイプが不利を受けたりして順番待ちであったり、レースのアヤで出し抜いて勝ってしまうことがあります。
また競馬場の形状によって、どちらのタイプの馬にチャンスが高くなるか?出走頭数によっても変わります。また出走馬の脚質タイプがどの程度揃っているか?にもよりますね。
同じく上記表に、競馬の要素でそれぞれ何があるとどちらのタイプになりやすいか書いていますので参考にしてください。こちらにも転記すると
Traction
上がり時計速い
直線長い(外周り)、大きな(広い)競馬場
少頭数、ストライド走法、体のバネを使った走り、よく伸びるタイプ
真っ向勝負に強い、最後の直線で順位上がる決め手○、位置取り✕
Handling
上がり時計遅い
カーブ部分が多い(内)。小さな(狭い)競馬場
多頭数、ピッチ走法、回転力を活かす走り、立ちまわり・器用
出し抜けに強い、4角先頭からの粘り込み
位置取り○、決め手✕
こちらはコース形状や出走頭数を見れば、どちらになりやすいか掴みやすいですが、騎手の駆け引きによって逆のパターンになることもあります。レース前のオッズに反映されてなければ狙っていきたい反対の要素です。
縦軸横軸から9つのパターン分け
上記から9つのパターンに分けられることが出来ます。それぞれの頭文字「S」「T」「H」「O」を組み合わせて表記しています。結局、様々な要素が絡んであまり分けられない場合は「N」としています。
これらのパターン分けはなるべく、しっかりとどちらか選択することで他の人には見えない歪みを感じ取れますので、できる限りいずれかのパターンに入れるように評価します。
9つのパターンを少し説明すると
「ST」・・・新潟1000mが一番当てはまる、直線ヨーイドンレース、力を発揮できる馬が強い
「S」・・・速い時計を必要とするレース。中央4場の短距離など
「SH」・・・速い時計とハンドリングも必要なコース。小倉の芝1200mなど
「T」・・・上がりの時計は欲しいが、全体時計はどっちにも転ぶ場合
「N」・・・この適性分けでは結局区別がつかない場合(なるべく選択しない)
「H」・・・カーブが多くて小回りが上手な馬が有利
「OT」・・・タフで最後の直線も長いようなコース。ダイヤモンドステークスなど
「O」・・・とにかく高低差やタフさが必要となってくるレース。全体時計は遅い
「OH」・・・小回りで高低差があって、さらに長距離でタフな展開(G1だと宝塚記念や有馬記念)
それぞれの適性がかなり強く出たり、弱いけどそちら向けといった場合もありますが、あまり強弱要素を付けても複雑になりすぎるので9つに分けています。あくまでもクワドラント適性理論は一要素の扱いで、もちろん能力が適性を凌駕することも多い(むしろ殆どそう)ですので、あくまでも人が見れてない部分を分かりやすく判断するために分けていると考えてください。
クワドラント適性理論の要点
クワドラント適性理論の要点をまとめます。
- コース適性・レース適性に特化して歪みを検証
- 能力差があって適正を超えることも多くあるが、それは人気(オッズ)に反映される
- 美味しい馬券は他の人が考えつきにくいところで優位点
- わかりやすくするために4象限(クワドランド)で区別
- どっちでも問題ない馬は当然出てくる
- 騎手の判断によるレース展開で変わる部分もあるが、あくまでもコース形状や出走馬状況で起きやすいことを判断する(騎手の判断は予想するのは難しい)
- 狙うのは逆の適正の人気馬の消し(過剰人気)、適正ハマってるのに人気にならない場合(穴馬)。
こういった形で、コース適性などは多くの人が毎回考えているとは思いますが、ちゃんと区別しておいてすぐに予想に反映させて歪みを呼んだ狙い目馬を見つけるために用意しています。
この理論が少しでも美味しい馬のあぶり出しに使えればと思い、公開しています。