現在中央競馬には「単勝」「複勝」「馬連」「馬単」「枠連」「ワイド」「三連単」「三連複」の8つの馬券種があります。それに複数のレースをまたがって5つの単勝を当てる「WIN5」もありますが、ここでは1レースに絞って検証しますので省きます。
この「単勝」「複勝」「馬連」「馬単」「枠連」「ワイド」「三連単」「三連複」の8つの馬券種の特性を掴むために6頭立て、10頭立て、16頭立ての3パターンで、「何通りの買い目があるのか?」また、「等しく当たるとして1点買いの的中率はいくらか?」「控除率を考えて、各買い目が同じように買われた時、オッズはいくらになるのか」検証してみましょう。
これによって各馬券種の特性から見えてくるものがあります(当たりやすい、オッズが低いなど)。枠連は馬ベースで考えないので特殊と思っていますので、なしで検証します。枠連はまた別の意味で狙い目の買い方はありそうですね。
なお、JRAで行われているレースの頭数の分布ですが、かなりの数が多頭数でのレースになります。4:3程度のレベルでフルゲートでレースが行われています。実践的には16頭立ての検証が一番、近いもののになりそうです。
各馬券種の払戻率は特別な場合を除くと
「単勝(80%)」「複勝(80%)」
「馬連(77.5%)」「枠連(77.5%)」「ワイド(77.5%)」
「馬単(75%)」「三連複(75%)」
「三連単(72.5%)」
です。
計算は1円単位のオッズは切り捨て。的中率は小数点2を四捨五入。あくまで馬券種による買い目の数や的中率の違いなどを見るために作成しています。
6頭立てのレース
券種 | 買い目 | 的中率 | オッズ |
単勝 | 6 | 16.7% | 4.8倍 |
複勝 | 6 | 33.3% | 2.4倍 |
馬連 | 15 | 6.7% | 11.6倍 |
馬単 | 30 | 3.3% | 22.5倍 |
ワイド | 15 | 20% | 3.8倍 |
三連単 | 120 | 0.83% | 87倍 |
三連複 | 20 | 5% | 15倍 |
※複勝は2着まで的中、ワイドは3つ当たりがあります。
少頭数での検証です。頭の中でも計算しやすいのが少頭数ですので最初に載せています。もし人気が完全に割れるなら単勝オッズが4.8倍も付くの?を感じる人も多いかもしれません。もちろん、ここから得票数が変わって1番人気が1倍台になったりします。
また三連単は6頭立てでも1%以下の的中率です。如何に1点で当てるのが難しい馬券であるかを表しています。
10頭立てレース
券種 | 買い目 | 的中率 | オッズ |
単勝 | 10 | 10% | 8倍 |
複勝 | 10 | 30% | 2.6倍 |
馬連 | 45 | 2.2% | 34.8倍 |
馬単 | 90 | 1.1% | 67.5倍 |
ワイド | 45 | 6.7% | 11.6倍 |
三連単 | 720 | 0.14% | 522倍 |
三連複 | 120 | 0.83% | 90倍 |
※複勝は3着まで的中、ワイドは3つ当たりがあります。
計算がしやすい10頭立てレースですね。10頭立てレベルではそれぞれの券種でそれほど多い買い目があるわけではありません。
16頭立てレース
券種 | 買い目 | 的中率(順位) | オッズ(平均) |
単勝 | 16 | 6.25%(2) | 12.8倍(11.3) |
複勝 | 16 | 18.8%(1) | 4.2倍(3.96) |
馬連 | 120 | 0.83%(4) | 93倍(69.2) |
馬単 | 240 | 0.42%(5) | 180倍(137) |
ワイド(3点) | 120 | 2.5%(3) | 31倍 |
三連単 | 3360 | 0.03%(7) | 2436倍(1832) |
三連複 | 560 | 0.18%(6) | 420倍(293) |
※複勝は3着まで的中、ワイドは3つ当たりがあります。
※オッズの平均は1万以上の施行レース数からデータを取ったもの
一番可能性が高い16頭立てレースでみてみましょう。単勝の平均オッズが10倍を超え的中率は6~7%程度です。もちろんここから人気投票が行われ、オッズが変わっていきますが、馬券師としてはこのオッズが変わっていく歪みで「的中率は上がるのにオッズが下がらない、または的中率は同じなのにオッズが高い」馬を見つけることが回収率向上の至上命題です。
しかし、その前にどの馬券種がどういった性質を持っているものかを確認しておけば、最適な馬券の買い方になるのではないかと思います。
上記の表は計算上の数字ですので、実際のところはより的中率が高く、オッズが低くなる状況での争いだと思います。16頭立てでも6頭ぐらいは話にならない馬が走っているかもしれませんので、そうであれば10頭立ての表ぐらいの条件で考えることも出来ます。
それでも三連単が馬券としては一番売れているみたいですが、0.03%の的中率はかなり小さい数字です。1点買いで当てようとしても、基本当たらないのでやる気が失せるかもしれません。
各馬券種の特性
最後に各馬券種の特性をまとめておいて、これをもとに各馬券種における大衆心理の働きかた、そしてどういった時に、どういった買い方をするのがベスト(ベター)なのかを考えたいと思います。
単勝(たんしょう) 払戻率80%
レースで1着になる馬を当てるオーソドックスな馬券。シンプルで初心者から玄人まで使う。
的中率(高)、オッズ(低)、予想頭数(1)、的中数(1)
複勝(ふくしょう) 払戻率80%
投票した馬が3着まで(7頭立て以下は2着まで)を当てる馬券。的中率が高いが、オッズが低いため、複勝ころがし等がある。
的中率(1番高い)、オッズ(一番低い)、予想頭数(1)、的中数(2~3)
馬連(うまれん) 払戻率77.5% 1991年導入
馬連が導入される前は、連勝複式馬券は枠連で8枠までだった。馬連は枠連より買い目が多くなりオッズが高くなる傾向が、当時いろいろ議論されていた。
的中率(低い)、オッズ(やや高め)、予想頭数(2)、的中数(1)、複式
ワイド 払戻率77.5% 1999年導入
正式名称は拡大二連勝複式、ちなみに馬連が普通馬番号二連勝複式。馬連の的中率を3倍、オッズを3分の1にした印象。
的中率(高め)、オッズ(低め)、予想頭数(2)、的中数(3)、拡大複式
馬単(うまたん) 払戻率75% 2002年導入
馬連を1->2と順番まで当てる馬券。当然、馬連の2倍の買い目がある。馬連より払戻率が低く、裏表のバランスが崩れて美味しい馬券でないと、買う意味が少ないと感じる。
的中率(低い)、オッズ(高い)、予想頭数(2)、的中数(1)、単式
三連複(さんれんぷく) 払戻率75% 2002年導入
3着までに入る馬を順番関係なく当てる馬券。三連単の6倍当たりやすいが、次いで当たりにくい馬券種。3頭抜けているというレースであったり、脚質で塊で予想する場合には有効。
的中率(低い)、オッズ(高い)、予想頭数(3)、的中数(1)、複式
三連単(さんれんたん) 払戻率72.5% 2004年導入
最後の導入ながら最も売れている馬券。3着まで着順通りに当てるというかなり難易度の高い馬券、その分高額配当が期待できる。
的中率(激低)、オッズ(激高)、予想頭数(3)、的中数(1)、単式
今回はとりあえず特性をまとめましたが、次回はこの特性を確認したことでどの馬券券種がオススメなのか?どういった買い方がいいのか?を検証したいと思います。