最近はJRA(中央競馬)と地方競馬(NRA)の交流競走も盛んになり、特にダート戦線に関しては中央競馬のダートの質だけでなく、地方競馬場のダートの質も考えてコースの得手不得手を考える必要が出てきました。

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単純に中央競馬より地方競馬のほうが砂が重い(時計が掛かる)というわけではないので、このページでまとめてみたいと思います。

ちなみにdirtとは直訳すると「泥」、アメリカのダート競馬に倣っていると言うが、日本とアメリカでは土地が違います。アメリカのダートは文字通り硬い地盤で泥っぽい為、速い時計が出ることで有名。一方、日本は気候上、アメリカより雨が多く泥のような本来のダートは水はけの問題から適さず「砂」っぽい感触。そのため、アメリカよりも重く深く脚が入ると考えたい


まず中央競馬に関して

青森県六ケ所村の砂を全10場で使っているJRAの砂質の基準を満たすためには、ここを使うしかないようで基準が保たれている。甲子園球場の砂の基準のようだ。

  • 砂の粒は最大2mm以下で、角ばってないもの
  • シルト分が1%以下(シルト分は細かい粉)
  • 砂がある程度重いもの

上記の3つの基準があり、1つ目はキックバックなどで砂が当たっても大丈夫なように、2つめは埃が立ちにくくぬかるみをなくすため、3つめは砂が流れるのを防止するため。

整備機械の向上から砂厚は9cmに統一(2009年から)、ただしその下の路盤は異なる。

JRAのダートは整備技術が進んでおり10場で統一されていると言われているが、コース形状の他、走破タイムを見ていると微妙に力の要りそうなコースと、足抜けの良さそうな軽いコースの差が感じられる。微妙な差ではあるが、感じられる差は

軽い>普通>重い

(東京・京都)>(中京・福島・札幌)>(中山・阪神・函館・新潟・小倉)

10場を分けるとすれば東京・京都は軽く、それ以外なら中京・福島・札幌がやや速い時計が出やすいと考えておけば良さそうです。これ以上に雨が降って湿ったほうが足抜きがよく軽くなるので、芝向きの馬(スピードの出る軽い馬場が好きな馬)がダートで好走するかもの判断は雨の影響のほうが大きいでしょう。

季節要因

冬場・・・乾燥しやすく砂が重くなる。 夏場・・・湿り気がつよく固くなるため時計が出る

これはダート競馬が良から稍重、重になるに連れて時計が良くなることを考えれば分かりやすいです。冬場の競馬は乾燥もしてよく砂煙が立っています。パワーゴリゴリの先行馬の出番ですね。

凍結防止剤

冬になるとダートの凍結を防ぐために「凍結防止剤」を撒くことがある。過去には悪名高かったが最近では使用頻度が減っている。成分は「塩化カルシウム」などで塩に近い、雨が降ったら溶けて粘り付き流れる。凍結防止剤が撒かれるとやや時計が掛かる馬場になると言われています。

また地方競馬場のデータになりますが、中央競馬と違って統一されていません。

門別競馬場(12cm、青森県六ケ所村)・・・重い

盛岡競馬場(11cm、宮城県大和町)・・・重め

水沢競馬場(11cm、宮城県大和町)・・・重め

浦和競馬場(10cm、青森県六ケ所村)・・・重め

船橋競馬場(9cm、青森県六ケ所村など)・・・普通

大井競馬場(8cm、青森県六ケ所村など)・・・軽い

川崎競馬場(8.5cm、青森県東通村尻労)・・・軽い

金沢競馬場(10cm、富山県上通川)・・・重め

笠松競馬場(9cm、長野県南木曽町)・・・普通

名古屋競馬場(9cm、岐阜県木曽川)・・・普通

園田競馬場(11~12cm、青森県六ケ所村)・・・重い

姫路競馬場(11cm、青森県六ケ所村)・・・重い

高知競馬場(11~14cm、高知県産)・・・重いしバラバラ

佐賀競馬場(9cm、福岡県や島根県産)・・・普通~軽めで有名

なお、地方競馬ではやや内側の砂厚が厚くなっていることがあり、これは小回りで内を重くしないと単調な競馬になったり、砂が外に流れても調節しなくてもいいようにしているため。地方競馬のゴール前を見れば、走りに影響するのか、最内はあまり使ってない事がわかる。

特に南関東で有名な大井競馬場や川崎競馬場などは中央のダートよりも砂厚が浅い、更に海沿いの競馬場の多いは海風で砂が流れてより浅いなんてこともある。

なお、筆者は阪神競馬場と園田競馬場のダートコースでイベントに参加して5kmや10km走ったことがあります。

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ダートコースは脚が取られて人間でも普通にしんどいと思いました。ただ、前の人が走った後で踏みつけられると走りやすくなります。阪神と園田では園田のほうが砂が深い感覚はありましたが、どちらもしんどくてパワーがいるのは間違いないです。

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阪神競馬場でも正直重たいです。


ダート馬でも時計が速いほうが好きなタイプと、時計がかかる方が好きな馬の2タイプあります。前者は芝でも好走できるスピードタイプ(芝ダート兼用で走っているような馬)、後者はダート専門のパワータイプ(馬格があり掻きが深い馬)ですね。

コース代わりや地方競馬の交流重賞などで、ダートでもどの競馬場で戦うかによって多少有利不利はあると思いますので、この記事の比較が参考になればと思います。

ダートの活躍馬で得意な競馬場が存在すると感じたら、そのダートは軽かったのか重かったのかをチェックすると、どんな馬場が走りやすいのか参考になります。

最後に全競馬場一覧を表でまとめます。軽いと感じる競馬場から書いてみましょう。

競馬場名 砂厚 採掘場 メモ
大井競馬場 8cm 青森県六ケ所村など 時計が出やすい、地方の中では出ている馬も強い
川崎競馬場 8.5cm 青森県東通村尻労 南関東の一つ、中央の馬も良く出る
東京・京都 9cm 青森県六ケ所村 コースが広いのも影響
中京・福島・札幌 9cm 青森県六ケ所村 なんとなく時計が出る
中山・阪神・函館・新潟・小倉 9cm 青森県六ケ所村 中央内で比較すればの話だが基本同じ
船橋・笠松・名古屋・佐賀 9cm 様々 地方な砂厚調整がばらつく
盛岡・水沢・浦和・金沢 10cm~ 様々 関東よりは軽めと覚えやすい
門別・園田・姫路 11cm~12cm 青森県六ケ所村 中央と同じ砂でしっかりと深い砂
高知 10~14cm 高知県産 重いことで有名

ダートコースの重さの違いは要因の一つに過ぎません。坂があるとかコースが広い、コーナーが曲がりにくいなどいろいろな要因があって、そちらのほうが影響度が高いこともあります。

ただ、砂の深さまで考えて予想する人は少ないと思いますので、要素の一つにして加えると美味しい馬券にありつける可能性が高いです。