ノルマンディーの40口で血統は母方もそれなり、そしてロードカナロアを付けていわゆるノルマン高馬でリスクの高い40口です。デビューは体質の弱さから調整が遅れて、なんと3歳の7月という厳しさ。冬に風邪を拗らせたとかでロードカナロアを管理した栗東安田厩舎から、厩舎の空きの問題で美浦の天間厩舎に転厩になっていました。
私は関西に住んでいるので、基本的に栗東厩舎委託予定で馬を選んでいるのですが、これは失敗したなぁと思っていました。そして、調教もあまり積めてないままデビューした未勝利戦(新馬戦はとっくに終わってる)ではスタートから大幅において置かれて勝ち馬から5秒以上も離されているいう結果。レースをVTRでみても殆ど映っていません。
タイムオーバーの出走制限などでもう勝ち上がりというか出走すら難しい状況で、地方交流戦に滑り込み、それでも調教もいまいちだったので大方の予想は厳しいという見立てでした。
8頭立てのレースで6番人気となっています。
8/27(火)金沢・能登巌門賞(ダ1500m)中島龍也騎手 結果優勝
なんと他のJRAからの挑戦馬を出し抜いて、勝ち上がりをここで見せました。正直出資者の私も驚きです。ネット中継でパドックもみましたが、パドックのコメントで「良血」「馬体は均整が取れている」といった好コメントが出ていたので、こうなるとノルマンでの育成にやはり問題があるんじゃないの?とさらに疑問の目が向います。というかノルマンの育成レベルを考えて、出資する時の馬の値段を見ないといけないですね。
後は育成が厳しくてもなんとかしてくれそうな委託予定厩舎だったりがノルマンではいいのかも知れません。
レースを振り返ってみたいと思います。
今回のバイラビエンはスタートは五分でした。外枠なので揉まれることなくやや押し気味に先手を取っていました。1コーナーから馬を必至に制御するため中島騎手の白ムチが入りまくります。
向こう正面でも先行集団に取り付いて、今回はちゃんとレースになっているなぁと感じるレベル。ここでも一番ムチを入れられているバイラビエン。
4コーナーでは苦しくなった馬が沈み、後方からJRAから参加の人気馬たちが上がってくる中、なんと2番手という立ち回り。ただし先頭は持ったままでここまで来ているマイネルロッシュ(マイネル軍団クラブ馬)です。
4コーナーでも外に膨らみまくりのバイラビエンで、正直レース経験の無さが出まくっています。中島騎手だから制御できていると感じました。
直線半ばの手応えでは「行けるんじゃないの???」と期待度高め。
最後にぐいっと伸びてなんと勝ってしまいました!
馬自身は血の力というか、競走馬としては走る能力は高いのかも知れません。しかしながら、体質の弱さなのか?体質の弱い馬を管理する能力の低さなのか?こういった馬を早くからデビューさせて、もう少し力を見せるようにノルマンさんの育成には頑張って欲しいところです。
しかし、中島騎手の今回の騎乗は素晴らしかったですね。白ムチを何度も使って制御した姿はかっこよかったです。厩舎と騎手のファインプレーで、なんとか制限期間内に勝ち上がりとなりました。
まだ、デビューから2戦目という馬です。これからは1勝クラスで、余裕のあるローテーションで走らせることが出来るかも知れませんが、「期待と不安」が入り交じる状況ですね。個人的には「不安」の方が大きいですが、そういった気持で見ている方が「あっ」と言わせてくれて楽しいかも知れません。
「バイラビエン」には競馬は何があるかわからない。「諦めちゃ駄目だよ」と教えて貰った気がします。ただ、なんとももどかしいというか、この程度の能力はあるのにうまく育成できてなかったんじゃないか?と不信感のほうが今は先に来ています。
JRAの1勝クラスでどの程度走れるのか?次のレース選定は重要ですね。何度も鞭入れられてもへこたれなかたので、ある程度距離があって時計が掛かる馬場がとりあえずはいいかも知れません。ただ、馬体のしなやかさはありそうなので、どこかで芝を使ってみてもいいでしょうか?体質の弱さの問題で馬体や脚元自体は問題なさそうです。